大好きな人達へ
ずっと、春が来るのが嫌だった
私の大好きな人達は、みんな春に天へと駆け足で逝ってしまって、
私は、置いていかれたと寂しくて堪らなかった
春になる度に
みんな迎えに来てよ
って話しかけてた
まだまだ涙はこぼれ落ちてしまうけど、
もう大丈夫
少しだけど、今年の春は違ってきた
大好きな人達と会えるんだと思えるようになって、
大切な思い出は、色褪せることなく私の心にある
大好きな人達が桜を咲かせながら
元気にしてたかな?
って、問いかけてくる
わたしは、
今年も会いに来てくれてありがとう
もう大丈夫だよ
って答える
その前に雪柳が咲き始め、
昨年天へ掛け登って逝ってしまった愛犬が会いに来てくれたよ
大好きだよって、風に揺られて可愛らしく言っている
がんばるよ
春が好きに変わった
そして、来年の春は、きっと待ち遠しい春になっている
みんなありがとう
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内蔵助の忘形見: ―忠臣蔵のその後を生きた大石瑠璃― を出版いたしました。